走行距離をカーボンクレジットに換えるセンサーとサービス
rideem.bike
自転車に取り付けたセンサーが一回一回の走行が本物であることを確認し、アプリが走行距離を積み上げ、第三者のカーボンクレジット機関を通じてその距離をお金に換えます。
- お客様
- 世界的チェーンメーカーの北米オフィスの要望を受けた提案
- 期間
- 2021 – 2023
- ステータス
- プロダクト企画
- 担当範囲
- ハードウェア仕様、アプリとバックエンドサービスの設計
課題
出発点は、世界的なチェーンメーカーの北米オフィスでした。チェーンの交換時期を自ら算出し、消費者に知らせたいという要望です。しかしセンサーをチェーンに取り付けることはできず、「チェーンの交換時期を知らせるためだけのデバイス」ではライダーに買ってもらうのは困難です。ライダー自身が付けたくなる理由が必要でした。自転車は健康的で環境にやさしく、省エネルギーでもありますが、乗る人には目に見える見返りがありません。2018年4月、国連のクリーン開発メカニズム(CDM)は、自転車の利用を増やして燃料車を置き換えるプロジェクトが、取引可能なカーボンクレジットを取得できると決定しました。ただし前提として、一回一回の走行が本物であることを証明できなければなりません。
進め方
- 01構成は3つ。自転車のセンサー、スマートフォンアプリ、そしてバックエンドのウェブサービスです。
- 02センサー:Bluetooth 5.0 と3軸 G-sensor を搭載し、消費電流は 2mA。CR2477 電池1個で500時間以上使えます。取り外しには専用工具が必要で、1回の走行につきペアリングできるスマートフォンは1台だけにして、距離の水増しを防ぎます。
- 03アプリ:走行時に Bluetooth で起動し、スマートフォンの GPS と加速度センサーのデータを組み合わせて走行が本物かどうかを判定し、結果をバックエンドに送信します。
- 04ウェブサービス:Verra などの第三者カーボンクレジット機関と連携し、実際の走行距離をカーボンクレジットに交換するとともに、カーボンクレジットのマーケットプレイスを運営します。
- 05付加サービス:メンテナンスのリマインダー、盗難アラート、転倒時の自動救助要請、走行記録、近くのライダー仲間の検索。
- 06自転車店とブランドには:誰が、どの自転車に、どこで、どう乗っているかという実際の利用データを提供します。そこから、どの自転車が誰に合うのか、いつメンテナンスで来店すべきかまで分かります。
現在の成果
- 一般的な自動車の CO₂ 排出量を1キロあたり0.22キログラム、炭素価格を1トンあたり90米ドルとして試算すると、年間2万キロ運転する人が自転車に切り替えれば、毎年約400米ドルを受け取れます。
- Bicyclive のコンセプトを出発点に、カーボンクレジットという「ライダー自身が付けたくなる理由」を加え、センサー仕様、アプリのフロー、サービスアーキテクチャの設計を完成させました。カーボンクレジットの取引事業者からも打診があり、プロジェクトは一時具体化しかけました。
- こうしたサービスの実現には出資者が必要です。最終的に先方の投資は承認されず、プロジェクトは2023年に停止しました。
技術
Bluetooth 5.0G-sensorMobile appWeb serviceCarbon registry API
